わたしほど髪の毛一本一本を愛してる美容師はいないんじゃないかと思うことがある。


くせがある毛も、細くなった毛も、自己主張が強い毛も白髪も。
染めた毛やパーマやストレートをあてた毛も、わたしには、みんな等しく愛しい。


それらに違いがあるとするならば、違いを認めて、各々の役割を全うできる人生か。

それとも、勝手な表向きな都合で本来の働きや存在価値を知ることのできない人生か。


それは人にも言えること。


どちらの道を選ぶかは本人次第。


そしてそれは尊重されるべきこと。



だけど、頭で考えた言動と真意(本意)が違うとを感じてしまうこともある。



口からから出るどんな言葉よりも、髪は素直にその人の本当の感情や意識を語るから。


だからわたしの出来ることは、せめて髪が役目を終えて死にゆく前に、本来の役割をさせてあげること。
自分でも知らなかった存在価値をもたせてあげられるような、調髪でありたい。


それが殺して生かす、わたしのしごと。


生は死の上に成り立っている。


祈りをこめて今日も髪を切る。


髪さまありがとうの時間。


大切な神事。




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